しかし親子ですからそっくりな一面があっても不思議ではないわけで、例えば同じ名前のモデルがあってもいいじゃないか、ということになる訳です。
そうです、サブマリーナなのであります。 そして毎度の不毛な前振りはこの程度にして本題に入るのであります。
チュードルさんについては不明な点が多く、明確な線引きが難しいのではありますが、チュードルさんのサブマリーナも1950年代(半ば?)くらいには存在していたようなのです。 そしてこの親子関係が常にそうであるように、まだ自立しきれず、ブランドマークに可愛いお花を使っていた時代などは文字盤表記の違い以外に外観には大きな差は無かったようなのです。
黒い文字盤には12時位置に三角、他はドットとバーからなるプリントインデックスにメルセデス・ハンドの組み合わせ。 50年代にはリューズガードが無く、ノーマルリューズのついた100メートル防水仕様と大きなリューズがついた200メートル防水仕様がありました。 60年代の初め頃にはトンガリリューズガードが付いて、その後に尖りが緩和されたところもお父さんと同じです。 そして60年代半ば(?)位には文字盤の黒が艶ありから艶なしに変更になるところなど瓜二つであります。 そしてRef.7928を名乗っていた60年代後半までは、お父さんのをベースとしたムーブメント、A390というものを中心に搭載しており、全面的にお父さんにおんぶにだっこだった、ということのようです。
しかしその後、エボーシュ(ムーブメントメーカーさんが作った半完成品)・ベースのムーブメントに切り替えられてからは親に対して挑戦的な態度も見せるようになっていきます。
そういえば「チュードルとロレックス、一般的にどこが一番違うのか」という問いに対しては、やはり「ムーブメント」と言う答えが最も無難なような気がします。 そうです、ロレックスはクロノやプリンスなど一部を除いて自社製ムーブを搭載しており、チュードルは逆に上記初期のサブマリーナなどの一部を除いてエボーシュ・ベースのムーブメントを搭載しているのです。
そして中には、エボーシュ・ベースのムーブメントは良くない、とお考えの輩もいらっしゃるようです。 特に巨大なエボーシュメーカーさんのムーブメント、メーカーさんが巨大であればあるほど生産数が多く、これを採用するメゾンが多く、そして当然眼に触れる機会が増え、これらの意匠が平凡で刺激的でないもののように思えて来るのかもしれません。
しかし、少し考えて見ましょう。 何故それらはこんなにも沢山作られ、みんなが寄ってたかって採用しているのかを。 もちろん中には、「安くて簡単これ便利」としか思っていないメゾンさんもあるかもしれませんが、長きに渡って使い込まれ、熟成に熟成を重ねてもはや改良点が見当たらないような凄いムーブメント、自分ちで簡単に作れるはずがありません。 少なくとも、そこいらのニワカヅクリな「自社製ムーブ」より、よほど信頼出来るのです。 実際、チュードルさんが70年代以降沢山使っているETAサンのCal.2824は、テンワの慣性モーメントが大きく、ハイビート、さらにはエタクロン緩急針等の恩恵により抜群の精度安定性を誇り、クロノメーターチューンの個体も無数に排出されている極めて優秀なものと言われています。
この極めて高い信頼性を獲得しているETAサンのエボーシュをロレックスさんがリファインすれば、それはそれは素敵なムーブメントになるに決まっているではありませんか。
と、脱線しているうちに果てしなく長くなってしまいそうですので、続きはまた近日中に。


